東京高等裁判所 昭和59年(ラ)466号 決定
抗告人(債権者)
竹本油脂株式会社
右代表者
竹本泰一
右代理人
後藤昭樹
立岡亘
太田博之
相手方(債務者)
信和物産株式会社
右代表者
森本次夫
第三債務者
晴海小野田レミコン株式会社
右代表者
友近久一
第三債務者
大都工業株式会社
右代表者
小川喜弘
第三債務者
鹿沼小野田レミコン株式会社
右代表者
森戸昭之助
主文
原決定を取り消す。
別紙担保権および被担保債権目録記載の担保権に基づき、同目録記載の弁済に充てるため、相手方が第三債務者らに対して有する別紙差押債権目録記載の債権を差し押える。
相手方は、前項により差し押えられた債権について取立てその他の処分をしてはならない。
第三債務者らは、第二項によつて差し押えられた債権について相手方に対し弁済をしてはならない。
理由
抗告人が原審及び当審で証拠として提出した各文書、殊に当審で提出された甲第四号証(抗告人と信和物産株式会社との間で成立した裁判上の和解の調書)によれば、抗告人主張のとおり、抗告人は債務者たる信和物産株式会社に対し五回にわたりコンクリート混和剤を販売し、右混和剤は右債務者から各第三債務者に転売され、その結果抗告人は債務者に対し別紙担保権および被担保債権目録記載のとおり担保権及び被担保債権を取得し、かつ、別紙差押債権目録記載の債務者の第三債務者らに対する売買代金債権につき物上代位により右担保権を行使しうる地位にあることが認められる。
よつて、右担保権に基づき右差押債権目録記載の債権の差押を求める本件申立は相当であるから、これを却下した原判決を取り消したうえ右債権を差し押えることとし、主文のとおり決定する。
(鈴木重信 加茂紀久男 片桐春一)
担保権および被担保債権目録
一 担保権
ただし、債権者が債務者に対し、昭和五九年四月一四日から同年五月二五日までの間に売り渡したコンクリート混和剤(商品名は、チューポールC―三、同C―四、ハイフルード、エアーセットA)の売買代金が支払われていないため、民法第三二二条、第三〇四条に基づき債務者が各第三債務者へ販売納入した動産(債権者が債務者に売渡したもの)についての売買代金に対して有する先取特権者の物上代位権。
二 被担保債権及び請求債権
(一) 金九八、〇〇〇円也
ただし、債権者が債務者に対し、昭和五九年五月二五日、コンクリート混和剤(商品名 エアーセットA)二〇〇キログラム入り二個(合計四〇〇キログラム)を、納入先晴海小野田レミコンとして、単価キロ当り金二四五円にて売渡した売買代金(伝票番号 四三四六)。
(二) 金六七六、五〇〇円也
ただし、債権者が債務者に対し、昭和五九年五月一七日、コンクリート混和剤(商品名 ハイフルード)二二〇キログラム入り一五個(合計三三〇〇キログラム)を、納入先大都工業として、単価キロ当り金二〇五円にて売渡した売買代金(伝票番号 四三〇八)。
(三) 金三一、五〇〇円也
ただし、債権者が債務者に対し、昭和五九年四月一四日、コンクリート混和剤(商品名 ポリゾンRE)一八リットル入り一〇個(合計一八〇リットル)を、納入先鹿沼小野田レミコンとして、一個当り金三一五〇円にて売渡した売買代金(伝票番号 四〇四三)。
(四) 金三四〇、〇〇〇円也
ただし、債権者が債務者に対し、昭和五九年五月九日、コンクリート混和剤(商品名 チューポールC―4)二〇〇キログラム入り5個(合計一〇〇〇キログラム)を、納入先鹿沼小野田レミコンとして、単価キロ当り金三四〇円にて売渡した売買代金(伝票番号 四二六一)。
(五) 金七三、四四〇円也
ただし、債権者が債務者に対し、昭和五九年五月一六日、コンクリート混和剤(商品名 チューポールC―三)一八キログラム入り一二個(合計二一六キログラム)を、納入先鹿沼小野田レミコンとして、単価キロ当り金三四〇円にて売渡した売買代金(伝票番号 四三〇二)。
差押債権目録
第一 第三債務者晴海小野田レミコン株式会社について。
(一) 金九八、〇〇〇円也
ただし、債務者が第三債務者に対し、昭和五九年五月二五日、コンクリート混和剤(商品名 エアーセットA)二〇〇キログラム入り二個(合計四〇〇キログラム)を、代金一四八、〇〇〇円にて売渡した売買代金の内金。
第二 第三債務者大都工業株式会社について。
(一) 金六七六、五〇〇円也
ただし、債務者が第三債務者に対し、昭和五九年五月一七日、コンクリート混和剤(商品名 ハイフルード)二二〇キログラム入り一五個(合計三三〇〇キログラム)を、代金八九一、〇〇〇円にて売渡した売買代金の内金。
第三 第三債務者鹿沼小野田レミコン株式会社について。
(一) 金三一、五〇〇円也
ただし、債務者が第三債務者に対し、昭和五九年四月一四日、コンクリート混和剤(商品名 ポリゾンRE)一八リットル入り一〇個(合計一八〇リットル)を売渡した売買代金の内金。
(二) 金三四〇、〇〇〇円也
ただし、債務者が第三債務者に対し、昭和五九年五月九日、コンクリート混和剤(商品名 チューポールC―四)二〇〇キログラム入り五個(合計一〇〇〇〇キログラム)を売渡した売買代金の内金。
(三) 金七三、四四〇円也
ただし、債務者が第三債務者に対し、昭和五九年五月一六日、コンクリート混和剤(商品名 チューポールC―三)一八キログラム入り一二個(合計二一六キログラム)を売渡した売買代金の内金。